技能実習生1号ロとは

技能実習生1号ロとは

監理団体を通じて受け入れた最初の技能実習生は「技能実習生ロ」という在留資格で来日しますが、具体的には一体どういうものなのでしょうか?

技能実習制度における在留資格は、当組合のような監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類されており、さらにその中で1号、2号、3号と、3つの区分があります。
今回は「団体監理型受入れ」の場合の技能実習1号「技能実習1号ロ」について、その概要や受け入れにあたっての要件等についてご説明いたします。

在留資格「技能実習1号ロ」とは

外国人が日本に滞在するために必要な資格(許可)を「在留資格」と呼びますが、「技能実習1号」は外国人が日本で技能実習を受ける上で一番最初に取得する在留資格になります。

そのうち、商工会などの営利を目的としない団体(管理団体)が技能実習生を受け入れ、その傘下の企業などの実習実施機関で実習を実施する「団体監理型」の受入れ方式によって来日した技能実習1号は「技能実習1号ロ」と呼ばれます。

逆に、日本の企業が海外の現地法人や取引先の職員を直接受け入れて実習を行う「企業単独型」での受入れ方式で来日した技能実習1号は「技能実習1号イ」と呼ばれます。

技能実習1号の在留資格は、このように技能実習の受入れ方式に応じて「技能実習1号イ」と「技能実習1号ロ」に分類されています。

「技能実習1号ロ」の目的と活動

技能実習1号は、これから新たな技術を日本での技能実習によって習得したいと考えている外国人に向けた在留資格であり、その目的は「入国1年目の技術の修得を目指す」こととされています。

また、「技能実習1号ロ」で行うことができる活動は、監理団体が入国後の2か月間行う講習による知識の修得活動と、その講習を終えた後に実習実施機関との雇用契約に基づいて行う技能等の修得活動ですが、受入れにあたっての要件をいずれも充足する必要があります。

受入れにあたっての要件については本記事の「技能実習1号」の受入れに必要な要件」についてをご覧ください。

団体監理型とは

「団体監理型」の受入れ方式によって来日した技能実習1号が「技能実習1号ロ」と呼ばれるという事ですが、「団体監理型」とはどのようなものなのでしょうか?

技能実習制度では「企業単独型」と「団体監理型」という2種類の受入れ方式があり、このうち、当組合のような監理団体を通じて技能実習生を受け入れる方式を「団体監理型」と呼びます。

監理団体とは、技能実習制度においてその活動の監督・取締り及び受け入れ企業へのサポート等を行う非営利団体です。

具体的には企業の依頼を受け、受入れまでの手続きや現地での面接、受け入れ後は各企業が適正な技能実習を行っているかどうか、監査と指導を行っていきます。

一方、日本の企業が直接海外の支店や関連企業・取引先等から職員を受け入れ、技能実習を実施する方法は「企業単独型」と呼びます。

企業単独型の技能実習では、受入れ先となる企業側が複雑な手続きを行う必要があり、実習実施期間となるには海外企業との繋がりも必要になるため、ほとんどの企業が「団体監理型」での受け入れを選択しています。

受入れ可能な職種と作業範囲

外国人技能実習生の受け入れが可能な職種・作業は、2020年4月時点で82職種146作業あります。
技能実習1号ではこの全ての職種で受け入れが可能になり、作業内容の制限はありませんが、「技能実習生に係る要件」にも記載されている通り、単純作業とみなされる同一作業の反復のみの作業は対象外とされます。
また、技能実習2号への移行対象職種でない場合は、技能実習期間終了後(在留期間1年以内)に帰国することになります。

↓受入れが可能な職種については下記のページからご確認下さい。

在留期間

「技能実習1号」の在留期間は1年または6ヶ月、法務大臣が指定する1年を超えない期間とされます。

「技能実習2号」へ移行した場合は3年、「技能実習3号」へ移行すれば5年と、実習期間を延長することが可能ですが、移行にあたっては下記の注意点があります。

  • 移行が可能な職種には制限がある
  • 所定の技能評価試験に合格する必要がある
  • 「技能実習3号」への移行が認められるのは「優良な監理団体・実習実施者」に限られる

まとめ「技能実習1号ロ」の特徴とは

以上、簡単にまとめると「技能実習1号ロ」には以下の特徴があると言えます。

  • 監理団体のサポートを受けた「団体監理型」の受入れ方式によって来日する
  • 入国後は原則2か月間、監理団体による座学の講習を受け、その間実習実施者との間に雇用関係はない
  • 2号や3号と違い、対象となる職種に制限はない
  • 在留期間は1年または6ヶ月、法務大臣が指定する1年を超えない期間(2号・3号に移行することで実習期間は延長可能)

「技能実習1号」の受入れに必要な要件

「技能実習1号ロ」を受け入れるにあたっては技能実習生・監理団体・実習実施機関が以下の受入の要件(一部省略あり)をいずれも充足しなくてはなりません。

技能実習生に係る要件

  • 修得しようとする技能等が単純作業でないこと。
  • 18歳以上で、帰国後に日本で修得した技能等を生かせる業務に就く予定があること。
  • 母国で修得することが困難である技能等を修得するものであること。
  • 本国の国、地方公共団体等からの推薦を受けていること。
  • 日本で受ける技能実習と同種の業務に従事した経験等を有すること。
  • 技能実習生(その家族等を含む。)が、送出し機関(技能実習生の送出し業務等を行う機関)、監理団体、実習実施機関等から、保証金などを徴収されないこと。 また、労働契約の不履行に係る違約金を定める契約等が締結されていないこと。

監理団体に係る要件

  • 国、地方公共団体等から資金その他の援助及び指導を受けて技能実習が運営される こと。
  • 3ヶ月に1回以上役員による実習実施機関に対する監査等を行うこと。
  • 技能実習生に対する相談体制を確保していること。
  • 技能実習1号の技能実習計画を適正に作成すること。
  • 技能実習1号の期間中、1ヶ月に1回以上役職員による実習実施機関に対する訪問指導を行うこと。
  • 技能実習生の入国直後に、次の科目についての講習(座学で、見学を含む。)を「技能実習1号ロ」活動予定時間の6分の1以上の時間(海外で1月以上かつ160時間以上の事前講習を実施している場合は、12分の1以上)実施すること。日本語
  • 日本での生活一般に関する知識
  • 入管法、労働基準法等技能実習生の法的保護に必要な情報
  • 円滑な技能等の修得に資する知識なお、上記c.の講義は、専門的知識を有する外部講師が行うこととされています。
  • 他に監理費用の明確化、技能実習継続不可能時の対応、帰国旅費及び技能実習生用宿舎の確保、労災保険等の保障措置、役員などに係る欠格事由等の要件あり。

実習実施機関に係る要件

  • 技能実習指導員及び生活指導員を配置していること。
  • 技能実習日誌を作成し備え付け、技能実習終了後1年以上保存すること。
  • 技能実習生に対する報酬が日本人が従事する場合と同等額以上であること。
  • 他に技能実習生用の宿舎確保、労災保険等の保障措置、経営者等に係る欠格事由等の要件あり。

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