外国人技能実習機構(OTIT)とは【その役割や業務について】

外国人技能実習機構(OTIT)とは?【その役割や業務について】

外国人技能実習機構(Organization for Technical Intern Training)とは、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図り、もって人材育成を通じた開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を推進することを目的とした組織であり、技能実習制度を利用する上で重要な役割を持った組織です。

本記事では外国人技能実習機構の具体的な役割や業務についてご説明いたします。

外国人技能実習機構とは?

外国人技能実習機構(Organization for Technical Intern Training 略称:OTIT)は技能実習制度の適正な実施及び技能実習生の保護を目的に2017年に設立した組織です。

技能実習計画の認定や技能実習生に対する相談支援等のほか、ホームページで新しい技能実習制度に関する各種手続等の情報を知らせる等、各種手続きや制度の支援を行っています。

技能実習制度については下記のページをご覧ください。

外国人技能実習機構の具体的な業務と役割

外国人技能実習機構の業務は、以下のの7つです。

  • 技能実習計画の認定
  • 実習実施者・監理団体への報告要求、実施検査
  • 実習実施者の届出の受理
  • 監理団体の許可に関する調査
  • 技能実習生に対する相談・援助
  • 技能実習生に対する転籍の支援
  • 技能実習に関する調査・研究等

技能実習計画の認定

技能実習を行うにあたって実習実施者は、受け入れる技能実習生ごとに「技能実習計画」を作成し、外国人技能実習機構から認定を受けなければなりません。

外国人技能実習機構は実習実施者が申請した計画の内容や受入体制の適正性等を審査します。
具体的には下記の認定基準に適合し、欠格事由に該当しないことをチェックします。

認定基準に適合すること
・ 実習生の本国において修得等が困難な技能等であること
・ 1号又は2号の技能実習計画で定めた技能検定又は技能実習評価試験に合格していること(2号又は3号の計画認定時) など

欠格事由に該当しないこと
・ 一定の前科がないこと。
・ 5年以内に認定取消しを受けていないこと
・ 5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしていないこと など

実習実施者・監理団体への報告要求、実施検査

技能実習計画の認定、監理団体の許可に関連して、外国人技能実習機構が申請内容の事実関係の確認や、技能実習の状況について検査を行います。

実地検査については、主に以下の3つがあります。

  • 関係者から相談、申告、情報提供があった場合等に直ちに行う臨時検査
  • 1年に1度、監理団体に実施する定期検査
  • 3年に1度、実習実施者に実施する定期検査

実地検査の結果、認定計画に従って技能実習を実施していなかったことや技能実習法に違反していたこと等が判明したときは、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣が改善命令または認定の取消しを行う場合があります。

実習実施者の届出の受理

技能実習生の在留許可を受け、技能実習を開始した場合、実習実施者は直ちに機構に対して実習実施者届出書を届出する必要があります。

届出を出すことにより、機構から実習実施者届出受理書が交付されます。

監理団体の許可に関する調査

監理団体として実習監理を行い、企業などに技能実習生を紹介するには監理団体の許可を取得する必要があります。

外国人技能実習機構では下記の基準を満たしているか、また欠格事由に該当していないかを審査し、主務大臣へ報告を行います。

許可基準に適合すること
・ 監理事業を適正に行う能力を有すること
・ 外部役員の設置又は外部監査の措置を行っていること など

欠格事由に該当しないこと
・ 一定の前科がないこと。
・ 5年以内に許可取消しを受けていないこと
・ 5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしていないことなど

技能実習生に対する相談・援助

母国語での技能実習生への相談対応を曜日を決めて主要な言語により、電話、メール等で実施しています。

また、技能実習生が監理団体や実習実施者から不適正な行為を受けている等の場合は当該実習生に対し、一時宿泊先の提供等の支援も行っています。

技能実習生に対する転籍の支援

技能実習先での技能実習の継続が困難になった場合で、かつ、実習生が技能実習の継続を希望する場合には、実習先の変更ができることになっています。
実習先の変更に当たって、監理団体及び実習実施者が新たな実習先を確保することが難しい場合、外国人技能実習機構が新たな受入れ先となり得る監理団体の情報を提供するなどの支援を行います。

技能実習に関する調査・研究等

監理団体や技能実習生に対しアンケート調査を行い結果を取りまとめる等、技能実習に関する調査や研究を行っています。

まとめ

外国人技能実習機構は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護という重要な役割を持った業務を行う機関です。
その業務に伴い、実習実施者として技能実習生を受け入れる企業や監理団体は外国人技能実習機構と関与することになりますので、技能実習制度を利用する場合は、どういった機関なのかという事を知っておいた方が良いかと思われます。

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