TOPページ > 施工実績 > 市道堺野湯元線羽山橋補修工事(スーパーホゼン式工法)
仙台市太白区の名取川を跨ぐ道路橋、羽山橋で「スーパーホゼン式工法」による補修工事を行いました。
主に橋梁床版の⻑寿命化対策⼯法として、またすでに補強されている床版を再補強する⼯法として、国⼟交通省 新技術情報提供システム「NETIS」にて、活⽤促進技術に評価されています。
特⻑のある形状のアンカーで格⼦状部材を圧着固定し、増厚した後に超低粘度エポキシ樹脂の注⼊により、既設床版と増厚部とを完全⼀体化します。
下図のように、3段階の⼯程毎に劣化した橋梁床版を確実に⻑寿命化します。
令和2年春に施⼯した 境野湯元線 ⽻⼭橋橋梁補修⼯事での実際の施⼯写真を交えながら、この⼯法をご紹介いたします。
羽山橋は名取川にかかる 橋長60.2m・幅員6.8m、3主桁の鋼桁橋です。
床版には遊離石灰をともなうひび割れが多くみられ、既設鉄筋からの錆汁も散見される状況でした。
増厚後に樹脂注入を行う際、樹脂がしっかりと行きわたる仕組みとして、カッター溝「樹脂導入路」を入れます。
増厚部材の接着性向上の為に、表面の汚れや不陸を取り除きます。
「テーパー付T型アンカー」で、格子状網鉄筋を圧着固定します。
このアンカーによる効果で既設床版と部材が確実に密着することで既設床版の応力が網鉄筋に伝達され、また供用中の床版の振動・衝撃の 影響を受けずに施工が可能になります。
亜硝酸リチウムを配合した防錆プライマーを塗布します
接着性が強く、疲労耐久性・凍結融解性にも優れる専用ポリマーセメントモルタル「ホゼン材#10」を吹き付けます。
羽山橋は増厚量t=22mmを2層に分け、1層目はおよそ10mm余りを吹き付けていきます。
1層目を養生後、2層目を吹き付けます。2層目は仕上り面とほぼ同一となるので、左官職人によって丁寧に仕上げていきます。
第1段階で網鉄筋に伝わっている応力は、増厚部全面が受け持つようになります。
増厚の完了後、樹脂注入位置に取り付けておいた養生部材を取り除くと樹脂注入口が現れます。
この注入口に樹脂注入器具の座金を設置していきます。
専用の粘性の低いエポキシ樹脂を、低圧で注入します。
樹脂は網鉄筋の裏側の微細空隙から樹脂導入路をつたい既設床版のひび割れへと到達します。
樹脂注入により断面は確実に一体化され、かつ既設床版のひび割れが修復されることで既設部と増厚部の全断面で応力を受け持つようになります。
樹脂注入の完了、養生の後に器具を撤去します。
同時に次の工程の為に表面の不陸等を取り除きます。
仕上げとして上塗材を塗布し、完成です。
東日本技建株式会社では今後も橋梁の補修・長寿命化に取り組んでいきます。
「スーパーホゼン式工法」については下記のページよりご覧下さい。↓
橋梁長寿命化対策(スーパーホゼン式工法)
仙台市による橋梁保全事業の事例として、羽山橋と国久橋の工事が2022年7月の橋梁新聞に掲載されました。
記事の詳細については下記のページよりご覧下さい↓
橋梁新聞に国久橋・羽山橋補修工事の事例が掲載されました。